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第1回 京都・今宮神社の「あぶり餅」 - 参拝後のお楽しみ「諸国味詣で」

参拝後のお楽しみ「諸国味詣で」 / 平成26年04月28日 第1回 京都・今宮神社の「あぶり餅」

あぶり餅
あぶり餅

 

4月の「やすらい祭り」で知られる京都市北区の今宮神社。やすらい祭りは、花の精にあおられて陽気の中に飛散するという悪疫を、お囃子や歌舞によって追いたてて、神威を仰いで鎮めるというものだ。そして、無病息災を願って多くの人々に親しまれてきたのが「あぶり餅」。つきたてのお餅に、きな粉をまぶし、竹串に刺して炙ることからこの名があり、餅を刺す二又の青竹の串は、神事に用いられた斎串・忌串(いみぐし)なのだとも。
現在、参道には神社に向かって右側に一文字屋和助こと「一和」(いちわ)(電話075-492-6852)、左側に「かざりや」(電話075-491-9402)と二軒のあぶり餅を焼くお店が並び味を競う。両店とも一人前15本(500円)。一本あたりの餅は2㌢×1㌢の親指大。独得の白味噌と砂糖を合はせた甘いタレに浸して焼かれるその味は、京の名物の一つになっている。(松本 滋)
 


京都・今宮神社

【本社】
中御座:大己貴命(おおなむちのみこと)
東御座:事代主命(ことしろぬしのみこと)
西御座:奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)
【摂社】
疫 社:素盞鳴命(すさのをのみこと)

当社地には平安建都以前より疫神(えきしん)を祀る社があったといわれる。建都ののち平安京が都市として栄える一方で、人々はうち続く疫病や災厄に悩まされ、これを鎮めるため神泉苑、御霊社、祗園社など各地で盛んに御霊会(ごりょうえ)が営まれた。今宮社の紫野御霊会もその一つである。すなわち、一条天皇の御代正暦五年(994)六月、当社地の疫神を二基の神輿に齋いこめて船岡山に安置し、神慮を慰め奉って悪疫退散を祈った。これが紫野御霊会であり今宮祭の起源である。そしてこの時、京中の老若男女は挙って神輿に供をし船岡山へ登り、綾傘に風流を施し囃子に合わせて唱い踊り、病魔のよれる人形を難波江に流したといわれる。これが夜須礼(やすらい祭)である。長保三年(1001)ご霊夢によって疫神は船岡山から再び現在の当社地に奉遷され、新たに設けられた神殿三宇ともども今宮社と名づけられた。これが今宮神社の起源である。創祀以来朝野の崇敬を集め、とりわけ徳川綱吉公生母桂昌院の崇敬は西陣への愛郷の念とともに厚く、元禄七年(1694)には荒廃していた社殿の造営など大いに務められ、祭礼も往時のような盛況を取り戻したと伝えられる。明治二十九年本社殿を焼失したが、同三十五年に再建し、その後も西陣をはじめ多くの人々の崇敬を集めている。

(今宮神社ホームページより)

TEL 075-491-0082

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